ティール組織って知ってる?
皆さん『ティール組織』という言葉をご存じでしょうか?
私達の所属する社会にはすべからく組織というものが存在します。
『ティール組織』とはそれらの組織の形、概念に焦点を定め分類化、研究の末に、私達がより私達らしく働ける組織の形として2018年、フレデリック・ラルーが提唱した新しい仕組みの組織のこと。
発表から早4年、正直<オレンジ組織>が根強い日本では今現在、この概念は定着してはいないように思いますが、今までの常識を疑い、自分の頭で考え、研究し、自分の思いを広く世の中に提唱していくことって、素敵なことだと思いましたのでここで改めてご紹介させてください。
現代社会における組織で世界的に一番力をもつのはオレンジ組織です。
オレンジ組織はピラミッド型でトップダウンを基調とし、イノベーション・説明責任・実力主義をキーワードに、過剰に個人の責任を追及し、必需品の先にある贅沢品(金額の多寡によらず)に価値を置き、消費者の欲望を掻き立て発展してきました。
この組織が支配する社会では美しさ、よりよい生活、私たち<らしさ>などあらゆる定義が固定され、本当の<らしさ>はおかまいなしに個人を全体に取り込む社会を形成してきました。
そんな疲弊した社会に一石を投じたのがラルーの<ティール組織>という概念です。
・プロジェクト毎に少数のグループで活動することで、トップダウンでもダウントップでもなく、現場での経験や状況に基づく意見が最大限反映される。
・CEO(会社の代表)はいるが、上司は存在しない。
・現場で感じたあれこれが速やかに共有され、消費者が本当に必要とするものを最適化して提供し続けることで、利益を出す。
・評価は自己申告と第三者(チームメイト)の意見のすり合わせにより公平に行われる。
・徹底的に信頼しあうことで、個人の欲ではなく全体の為に働くことが喜びとなっている。
そして特に特徴的なのが
KGIやKPI。年間予算。なんなら企業理念すら存在しないということ。
というより、ティール組織としてのルールを盛り込むと、そもそもそういった数値管理はなくても、利益が出せるんだよ。ということをラルーは提唱したのですね。
※詳しくは文末の参考書籍をご覧ください。
遥か遠い過去に発生した社会という概念、宗教による統治、戦争。
モノ社会を経て、私たちは今、ネットが社会を席巻する新たなステージの大きなうねりの中にいます。
そんな中、想像もしなかった未曽有の災害は今後もきっと何度でも押し寄せ、経済は都度壊滅的なダメージを受けるでしょう。
それらを想定した時あなたは、
どんな組織に勤めていたいですか?
どんな社会であったらいいと思いますか?
どんな思考を武器に、この荒波に立ち向かおうと思いますか?
今年の秋の夜長には、そんなことに思いをはせてみるのも、また一興かもしれませんね。
※参考文献:フレデリック・ラルー著
[イラスト解説]ティール組織 新しい働き方のスタイル 技術評論社発行